輸液ポンプの原理・使い方・アラーム対応を説明します!

輸液ポンプ 機器管理

輸液ポンプの原理や使い方がわからない。


こんな疑問にお答えします。


こんにちは、スーパー臨床工学技士のyoshiです。


輸液ポンプは患者に点滴をするときに使う医療機器で、手術室・透析室・病棟といった多くのフロアで使用する医療機器ではないでしょうか。


そのため原理や使い方など、正しい知識が必要です。


輸液ポンプの原理・使い方・計算・アラーム対応などについて説明しますね。


輸液ポンプの機種はこちらです。

輸液ポンプの機種

メーカー:テルモ

型式:TE-131

その他:滴数制御型


この記事を読んで、あなたも輸液ポンプマスターになりましょう!

輸液ポンプの原理

輸液ポンプの原理は、機器にセットした輸液セットのチューブを複数のフィンガーで押圧することで薬液を送り出します。


これをペリスタルティック方式といいます。

輸液ポンプ

赤い丸のフィンガー部分が動くことで薬液を下に送り出します。


さらに輸液ポンプの種類は大きく分けて2種類に分けることができます。

輸液ポンプの種類

①滴数制御型

②流量制御型


滴数制御型は、滴下プローブ(輸液セットの点滴筒に装着するプローブ)で滴下をカウントして、流量を制御する。

流量制御型の特徴

・汎用の輸液セットが使用できる

・点滴プローブで滴下をカウントしている


流量制御型は、メーカー指定の輸液セットを使用する必要があり、汎用の輸液セットを使うことができません。


それは、滴数制御のように一滴一滴カウントして設定した時間当たりの流量を調整するのではなく、「フィンガーが動くとどのくらいの量が送り出されるよ。」ということが計算されているので、用意されたメーカー指定の輸液セットしか使えないのです。


流量の制御は、機器内部のマイクロコンピュータによって制御されています。


流量制御型の輸液ポンプは、滴下プローブもありませんよ。

輸液ポンプのセッティング・使い方・開始するまでの手順

いきなりですが、まずは間違え探しからいきますよ。いくつか間違えがあるので探してみてください。

輸液ポンプ

では、正解発表です。

間違えはここだ

・点滴プローブの位置が下すぎる

・チューブが短い ゆとりがない

・クレンメが輸液ポンプよりも上にある


ではでは、正しい輸液ポンプの使い方を説明しますね。

輸液ポンプを開始するまでの流れ!
  • 手順1
    輸液セットのプライミング
  • 手順2
    フィンガー部分の動作確認
  • 手順3
    輸液セットをポンプへセッティング

  • 手順4
    点滴プローブを取り付ける

  • 手順5
    予定量と流量の入力
  • 手順6
    いざ輸液開始


一つずつ説明していきますよ。

手順1:輸液セットのプライミング

輸液セットをプライミングするときの注意点として、点滴筒にためる薬液の量がポイントとなってきます。


えっ?適当にためればいいんじゃないの?


適当にためたらダメですよ。

点滴筒にためる薬液量

点滴筒には薬液は3分の1程度ためる!


少なすぎても多すぎてもいけませんよ。


理由は後ほど説明しますね。

手順2:フィンガー部分の動作確認

プライミングが終わったら、次は動作確認をしましょう。

輸液ポンプの動作確認

ドアを開けて電源を押してフィンガー部分がうねうねと動くことを確認しよう!

手順3:輸液セットをポンプへセッティング

動作確認が終わったら、チューブを輸液ポンプへセットしていきます。


テルモの輸液ポンプの側面には、チューブセットの手順が書いてあるのでこの通りにするとできますよ。

輸液ポンプ

ドアを開けて、チューブクランプを解除します。

輸液ポンプ

そして回路を上からセットします。

輸液ポンプ

このとき緩みがないようにまっすぐにセットしてくださいね。

注意点

チューブきちんとセットされていないと流量異常アラームやドアアラームの原因になる

・クレンメは輸液ポンプ本体よりも下へセットする


写真のように点滴筒と輸液ポンプは離してセットしてください。

輸液ポンプ

離していることで、パックからの薬液が漏れてきたときにそのまま薬液が床に落ちるからです。


輸液ポンプの上に点滴筒があると漏れてきた薬液が機器に直にあたり故障する原因になります。


点滴筒も真っすぐにセットします。


セットができたらドアを閉めてロックします。

手順4:点滴プローブを取り付ける

点滴プローブを取り付ける位置はかなり大事なので、覚えてくださいね。

輸液ポンプ

写真の矢印の位置にセットすることがポイントです。


この位置にセットしないと、誤カウントする可能性があります。


点滴プローブには赤外線が流れていて、薬液がその赤外線を遮断することでカウントされます。


なので、写真のように滴下ノズルに近いと誤カウントする可能性があります。

輸液ポンプ

これダメ!


薬液に近くてもいけません。滴下した薬液がはね返り、これまた誤カウントします。

輸液ポンプ

これもダメ!


点滴プローブは正しくセットしましょう。

手順5:予定量と流量の入力

次は流量と予定量を入力します。


予定量ボタンを押して、予定量を入力し流量ボタンを押して流量を入力します。

手順6:いざ輸液開始

輸液を開始する前には、最終チェックをしましょう。


チェックをするときは上から順番に確認していくといいですよ。

輸液ポンプの開始ボタンを押すまでの確認項目
  • チェック1
    薬液の確認

    薬液は指示通りか?

  • チェック2
    点滴プローブの確認

    点滴プローブは正確な位置にセットしたか?

  • チェック3
    予定量と流量の確認

    予定量と流量は合っているか?

  • チェック4
    クレンメの確認

    クレンメは開けているか?

  • チェック5
    回路先端の確認

    先端は患者さんに接続されているか?


確認後に輸液をスタートしたら、すぐにそこから離れるのではなくて、実際に輸液ポンプが動いているのを確認しましょう。

輸液ポンプのアラーム対応

輸液ポンプの使用中にアラームが発生した場合の対応を説明します。


基本的な動きは以下の通りです。

アラーム発生時の対応

①アラーム発生

②何のアラームがなっているのか機器を見て必ず確認する

③アラームを停止する

④原因を取り除く(ドアを開ける場合は必ずルートのクレンメを閉じてから)

⑤開始ボタンを押して正常に動作していることを確認する

注意

輸液ポンプのドアを開けるときは必ずルートのクレンメと閉じてください

フリーフローで一気に薬液が患者へ注入する危険性があります


次は各アラームの対応を説明します。

閉塞アラーム

閉塞アラームは、輸液ポンプよりも下の部分に何らかの閉塞があった場合に起こる警報です。


輸液ポンプには閉塞センサーがついていて、その部分に圧がかかることでアラームが発生します。

輸液ポンプ

赤い丸が閉塞センサーです。

閉塞アラームの主な原因

・輸液セットのクレンメや三方活栓の開け忘れ(開始直後にアラームが発生します)

・ルートの屈曲

・針先の屈曲やコアグラなど


閉塞アラームが発生した場合は、これらの原因を取り除かないといけません。


輸液ポンプ側から指でたどっていくとわかりやすいと思いますよ。


輸液ポンプ本体のすぐ下にあるクレンメから見ていきます。


クレンメは?開いている。


次、三方活栓は?開いている。


次、ルートは?あっ屈曲していた。原因はここか!


一つずつ探っていきましょう。

気泡アラーム

気泡アラームは、輸液ポンプに気泡が入ることで発生する警報です。


気泡センサーは、超音波を原理としていますが水と気泡では超音波の透過率が違います。

輸液ポンプ


その透過率の差を検出して、気泡が混入したらアラームを発生させます。

赤い丸が気泡センサーです。

気泡アラームの主な原因

・輸液パックが空になった

・何らかのカタチで輸液ラインに気泡が発生

・輸液セットが正しくセッティングされていない


さらに冷たい薬液を使うと温まったときに中の溶存空気が出てきて、気泡となることがあります。

対処法

①アラームを止める

②ルートのクレンメを閉じる

③ドアを開けてチューブクランプ部を解除する

④ルートをまっすぐ伸ばし気泡の下を指で弾いて点滴筒へ逃す


ルートをボールペンにぐるぐると巻きつけて気泡を逃すスタッフもいると思いますが、基本的にNGな対処法なのでやめましょう。


強い力を加えるとルートが変形したり、破損する可能性もあります。

流量異常アラーム

流量異常アラームは、「設定した流量が正しくありませんよ!」という警報です。

流量異常アラームの主な原因

・点滴プローブがセットされていない

・点滴プローブが液面に近い

・点滴筒が傾いている

・チューブが正しく輸液ポンプにセットされていない


点滴プローブで滴下をカウントしているので、点滴プローブがセットされていないと流量異常アラームが発生します。


また点滴プローブが液面に近いと薬液が落ちたときのはね返りをカウントしてしまうこともあります。


点滴等が傾いていると誤カウントすることもあります。


チューブはまっすぐにしてセットしますが、少し緩みがあったり浮かせてセットした場合は正しく流れないこともあるので、注意が必要です。

対処法

①アラームを止める

②点滴プローブは正しい位置にあるか確認する

③クレンメを閉じてドアを開けてチューブが正しくセットされているか確認する

ドアアラーム

ドアアラームは、輸液ポンプのドアが閉まっていないときに発生する警報です。


ドアは確実に閉めて、ロックをしましょう。

バッテリアラーム

バッテリアラームは、バッテリが低下したときに発生する警報です。

ポイント

使用中にバッテリアラームがならないように輸液ポンプを使うときは必ずコンセントをつなぎましょう!


コンセントのつなぎ忘れや輸液ポンプ後ろの接続部分が緩かったりすると、内蔵バッテリで動作するので注意しましょう。


それと定期的な充電とバッテリの交換も大事ですね。

輸液ポンプの原理・使い方・アラーム対応のまとめ

いかがだったでしょうか。


輸液ポンプの原理・使い方・アラーム対応を説明しました。


輸液ポンプは、使う機会がかなり多い機器なので正しい使い方やアラーム対応の知識は必要ですね。


これであなたも輸液ポンプマスターです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

以上、yoshiでした。

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